Alcest

BIOGRAPHY

 アルセはフランスのプロヴァンス地方、アヴィニョンを拠点としている。もともとは1999年にネージュこと、ステファーヌ・パウが結成。2001年にデモ・トラック、『トリステス・イヴェールナーレ』を発表。しかし3人編成だったアルセは、その後単独ユニットして活動を始める。なぜならネージュにはペスト・ノワールや、アメスールとしてバンド実績があるから。だからこそアルセでは、自分だけの世界を追求することがテーマ。クラシック・ギターを本業とするネージュは、全てのパート演奏を試みる。そしてマルチ・インストゥルメンタリストと呼ぶのに相応しい、確かな成長を遂げていく。2005年にミニ・アルバム、『ル・セクレ』を発表。ようやく今までのネージュとは違った、温かみ溢れるサウンドを表現。さらに2007年にデビュー・アルバム、『スーヴェニール・ダン・オータ・モンド』を完成。ドイツとアメリカのメタル系レーベルから、それぞれリリースされる。そんな中、唯一日本だけはジャンルの異なるクインスと契約。アートワークも美しい絵画を使ってリメイク。幻想的な音のイメージを最大限に広げている。そうしてフレンチ・シューゲイズの出発点として、新たなリスナーを開拓。何よりもデッド・キャン・ダンスを、こよなく愛しているネージュ。もちろんアルセの音楽にとって、4ADからの影響は計り知れない。さらにスロウダイヴを彷彿とさせつつ、今のシューゲイズ・シーンに繋がる世界観。激情的な轟音フィードバック・ギターと、叙情的なアコースティック・ギターの調和。しかもそこにフランス語の歌詞が載るから新鮮。メランコリックなメロディーと、センシティヴなヴォーカル。でありながらも、どこか力強さを感じさせてくれるから魅力的。きっとそこにはシャンソンにも通じる、人生観が注ぎ込まれているはず。ネージュにとって最も光り輝いていた、幼少時代の想い出。「ただそれを懐かしむだけではなく、いつもそこから希望を感じていたい」。そんな純粋な気持ちを表わした1st・アルバム、『スーヴェニール・ダン・オータ・モンド』。きっとこの作品こそ、真のシューゲイズ・ファンに限りない感動を与えてくれるはず。

MEMBER

Neige [all instruments and vocals, composition, lyrics, recording]

RELEASE

Souvenirs d’un Autre Monde

Souvenirs d’un Autre Monde

1. Printemps Emeraude(7:19) / 2. Souvenirs d'un Autre Monde(6:08) / 3. Les Iris (7:41)
4. Ciel Errant (7:12)  / 5. Sur l'autre Rive je t'attendrai (6:50) / 6. Tir Nan Og (6:10)

ドイツやアメリカ盤とは全く違ったアートーワーク。幻想的な絵画をメインとしつつも、そこにシューゲイズ感覚を融合させた革新的な仕上がり。それは正しくアルセの音の世界そのものを最大限に表現している。(1)アルバムの序曲の役割を果たす、前半のインスト。ドラマティックなノイズ・ギター・サウンドが炸裂!さらに後半は子供達のはしゃぐ声をフィーチャー。さらにそこにアコースティック・ギターを重ねることで、より一層イマジネーションが広がるよう。(2)これぞフレンチ・シューゲイズの決定版!叙情的なフランス語の歌詞と、轟音フィードバック・ギターの融合。スロウダイヴ的な浮遊感のあるビートも心地良い。そして何よりも儚い人生を受け止めるような温かなメロディー。まるでシャンソンにまで繋がっていく奥深い傑作!(3)アルバムの中で最もエモーショナルなギター・サウンド。しかしそこにメランコリックなメロディーを乗せるから、なんて感動的!さらにエンディングのケルティックなアコースティック・ギターとコーラス・ワークも素晴らしい。4ADを受け継ぐ、アルセならではのシューゲイズ・ワールド。(4)「夏の日に丘の上で、雲が渡っていくのを見ているイメージ」。そんなネージュ自身の言葉が、そのままサウンドになったような疾走ソング。アルセの音楽が前向きさを表現していることを最も象徴している名曲。クラブAC30ファンにもオススメ!(5)アメスールの女性メンバー、オードリー・シルヴァンが参加。天使のような汚れのない声と、アルセとの掛け合いヴォーカルが魅力的。波の音からアコースティック・ギターに変わる、エンディングも溜め息が出るほど美しい。(6)アルバムの中で唯一、純粋なアコースティック・ソング。デッド・キャン・ダンスやコクトー・ツインズを彷彿とさせる、トラッド色の強い仕上がり。音楽で時代を遡っていくような歴史を感じさせる曲。そしてそれが現代のシューゲイズを繋がることを証明している。もっと深い解説はライナー・ノーツで…。