Keith Canisius
BIOGRAPHY
デンマークの3大都市オーデンセを拠点としている、キース・カニシウス。ラムズキブのメンバーとしても活躍中の、マルチ・プレイヤー。もちろん素晴らしいメロディーを書く、ソングライターでもある。2007年、デビュー作とは思えないクオリティーの『ラムズキブ』を完成。日本盤をクインスから、アメリカ盤をダーラからリリース。世界中のシューゲイズ・ファンから、大きな評価を受ける。さらに新たな表現方法を見い出すために、ソロ活動にもチャレンジ。そうして2008年、1st・アルバム『フェリス・ホィール・メイクアウト』を完成。そのサウンドに反応したクインスは、迷うことなくワールドワイド・リリース。ラムズキブよりもエレクトロ色が強くなっている、新鮮なアルバム。それをサポートしてるのが、マニュアルことヨーナス・ムンク。偶然にも家が近所だった2人は、同じギタリストとして刺激を受け合うことに…。そうしてマニュアル・サウンドが、キース・カニシウスに影響を及ぼしていく。恐らく彼がソロ・ユニットを始めたのも、マニュアルに感化されてのこと。さらにもう1人、ウルリッヒ・シュナウスからの影響も計り知れない。両者ともエレクトロ・シューゲイズ界を代表するアーティスト。しかしキース・カニシウスには、また違った魅力があるのは確か。彼の最大の武器である、インディー・ギター系アーティストならではの感性。それをベースにしたエレクトロ・サウンドだからこそ、革新的に映るはず。今までは隔たりがあった、エレクトロニカ・シーンとインディー・ギター・シーン。特に日本に於いては、なかなか越えられない壁があったような気がする。ところがその境界線をなくすきっかけとなるアーティストが、ようやくここに登場。しかもそれをクインスから紹介することに、大きなテーマが溢れている。シューゲイズならではのフィードバック・ギター、アンビエント色溢れるシンセ、エレクトロニカ・テイストなビート。神秘的なヴォーカルとコーラス・ワークによる、ドリーミーなメロディー。全てはアルバム・タイトル、『観覧車』のイメージそのままの世界観。360度パノラマに風景が広がるような、ドリーム・ポップの進化形サウンド。今ここから、新たなシューゲイズ・ムーヴメントが始まる予感…。
MEMBER
Keith Canisius [vocals, voices, guitars, bass, synth, electronics & drum programming]
RELEASE
Ferris Wheel Makeout
QRCP-58 (2008)
1. The Sea Me, Feel Me / 2. Omorose / 3. Naive Struggle
4. Opium Pop Ballad / 5. April Star / 6. Far From
7. 29th Escape / 8. Watching Old Films With New Eyes
9. You And I Sky / 10. Dizzy Encounter / 11. AI
吸い込まれるように美しく、どこか謎めいているジャケット。それこそがキース・カニシウスの世界観を表わしている。無数に湧き出る泡のように瑞々しい、北欧エレクトロ・シューゲイズ・サウンド。リスニング・ミュージックのように、聴く人を癒してくれる効果あり。しかし奥底にはサイケデリックな危うさが潜んでいるから、ますます魅力的。(1)セレーナ・マニーシュを彷彿とさせる、サイケデリックなギター・サウンド。透明観溢れるシンセを活かした、エレクトロ・サウンド。2つの融合が今までにない感覚を生む、正にエレクトロ・シューゲイズなナンバー。(2)ほとんど男性ヴォーカル版ラムズキブといってもおかしくない、コクトー・ツインズの新化形。幻想的なツイン・ギターがとても厳かな気分にさせてくれる。(3)トーキング・ヘッズへのオマージュともいえる、エレクトロ・ポップ。神秘的なコーラス・ワークのフィーチャーが、キース・カニシウスならではの世界を演出。(4)ラムズキブ・ミーツ・ケミカル・ブラザーズともいえる、ハードなエレクトロ・サウンド。アルバム・タイトルのように観覧車に乗って、クルクル回っているよう。(5)インタールード的な役割を果たす、アンビエント色の強いインスト。かなりスペーシーな世界でSF映画のサントラ的。(6)マニュアルとクインスが絶賛するドリーム・ポップの最高峰。浮遊感のあるギターと、切ないメロディーが見事に調和した名曲。(7)ロビン・ガスリーを継承する、あまりに美しいギターとコーラス・ワーク。暗闇の森に朝日が差し込むような情景が浮かぶ、壮大なシューゲイズ・サウンド。(8)ロック・アプローチ溢れる、ウルリッヒ・シュナウスとでも例えたくなる傑作。この清々しい疾走エレクトロ・サウンドは、正しく観覧車のイメージ。(9)マニュアルにも通じる壮大なイメージが広がる、ループを使ったインタールード。シューゲイズらしい感性をより濃く打ち出している。(10)コクトー・ツインズの名盤『トレジャー』を、近代的に表現したような世界観。ラムズキブでは出来ない実験的なサウンドが興味深い。(11)日本フリークなキース・カニシウスが、東洋の感覚を表現したエンディング。デヴィッド・シルヴィアンからの影響大。もっと深い解説はライナー・ノーツで…。
